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熊本で100年稼働した水力発電所、取水量を変えずに出力アップ:自然エネルギー
JNCは熊本県内に所有する2カ所の水力発電所の設備更新に着手する。それぞれ運転開始から100年と97年が経過している古い発電所で、取水量は変えず発電設備の更新などによって発電量を5.6%程度向上させる。
JNCは2016年10月28日、同社が熊本県に保有する2カ所の水力発電所について、大規模改修工事を実施すると発表した。約80億円を投じ、設備更新によって発電量を増やす計画だ。
JNCは液晶材料や有機EL材料の製造販売・研究開発を基幹事業とする一方、環境・エネルギー事業にも取り組んでいる。現在、九州地区に13カ所の流れ込み式水力発電所を保有しており、その合計出力は9万3700kW(キロワット)に相当する。この他、太陽光発電事業も展開している。
今回、大規模改修を実施する発電所は熊本県上益城郡(かみましきぐん)山都町(やまとちょう)に位置する「内大臣川発電所」と「津留発電所」の2カ所。内大臣川発電所は完成から100年、津留発電所は97年を迎える発電所だ。今回の改修ではそれぞれの発電所について、認可取水量は変更せず、水車・発電機などを高効率な機器へ更新し、最大出力と年間発電量の向上を目指す(図1)。
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