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太陽光発電設備のIVカーブ測定で分かること:太陽光発電所のトラブル対策(3)(2/2 ページ)
今後ますます重要になっていく太陽光発電所の運用保守。しかし、具体的にどのような点に着目して取り組めば良いのだろうか。本連載では日本で太陽光発電所の運用保守事業を手掛けるアドラーソーラーワークスが、実際の事例を交えながらそのポイントを紹介していく。第3回はIVカーブ測定について解説する。
検査を行う上でのポイント
検査手順の基本は、遮光物を把握し、測定対象に影がかかっていないことを確認の上、測定を実施することである。
計測にはストリング配置(配線)図を準備し、実施時にどの位置のストリングを計測しているか把握するようにすることが重要だ。結果が不適合と思われる場合に、対象ストリングの遮光や汚れを確認したり、ストリングを構成するモジュールごとの確認検査を実施したりする場合にも、ストリング配置図を携帯している方が当然作業効率は向上する。
また、検査趣旨として計測結果のSTC(標準試験条件)換算が重要な意味を持つ場合、IVカーブ測定を実施する機器の他、日射、モジュール温度を計測するセンサーが必須だ。実施にあたっては計測時の環境を十分考慮する必要がある。求められる精度にもよるが、日射強度は700W/m2以上で安定した天候、南中時±1時間の間に測定するのが望ましい(JIS C8953)。
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