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小水力発電で20年間に2億円超の利益、ダムの直下で190世帯分の電力自然エネルギー(2/3 ページ)

福岡県の県営ダムの直下で小水力発電所が運転を開始した。ダムの放流を活用して190世帯分の電力を供給する。ダムが立地する糸島市が運営して、売電収入により20年間に2億5500万円の利益を得られる見込みだ。県営ダムの中から小水力発電を実施した場合に最も収益性の高い場所を選定した。

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小水力発電の収益性が最高と評価

 福岡県は県営ダムの放流水を活用した小水力発電を促進するにあたって、水力発電を実施している3カ所を除く12カ所のダムを対象に、事業性の概略検討を2013年に実施した(図3)。このうち収益性が最も高くなる結果を得られた場所が瑞梅寺ダムだった。


図3 県営ダムの放流水を活用した小水力発電の検討対象。出典:福岡県県土整備部

 瑞梅寺ダムでは固定価格買取制度の対象になる20年間で1億4800万円の利益を出すことができて、11年で投資を回収できる計算だ(図4)。この評価結果をもとに、糸島市は小水力発電所の建設を決めて、2014年度から発電設備の製作と建設工事に着手した。実際に稼働した小水力発電所の発電能力や年間発電量は概略設計の通りで、福岡県の補助金1億円を加えたことにより投資回収期間は6年に短縮する。


図4 概略検討による収益性の評価結果(2013年)。出典:福岡県県土整備部

図5 横軸フランシス水車。出典:糸島市

 概略設計に基づいて、水車発電機には横軸フランシス水車を導入した(図5)。大規模な水力発電所を含めて国内で最も多く使われているタイプの水車で、水流の落差が大きい場合に適している。

 瑞梅寺ダムの小水力発電所では落差が46メートル、水量が最大で毎秒0.3立方メートルの条件から、フランシス水車が最適と判断できる(図6)。


図6 落差と流量による水車発電機の選定方法。出典:糸島市

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