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太陽光・風力発電のコストが急速に低下、海外で単価3円を切る電力の契約も自然エネルギー(3/3 ページ)

世界の再生可能エネルギーの最新動向について、自然エネルギー財団のトーマス・コーベリエル理事長が東京都内で講演した。太陽光と風力が各地域で拡大して、発電コストが火力や原子力を下回る状況になってきた事例を紹介するとともに、導入量が増加しても送配電の問題は生じないと語った。

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送配電ネットワークの問題は誇張だ

 風力や太陽光のように天候によって出力が変動する電源が拡大していくと、送配電ネットワークに対する影響が気になる。しかしコーベリエル氏は「その問題は日本の電力会社が誇張しているだけで、実際には送配電ネットワークに大きな影響を与えることはない」と説明する。

 「かつてデンマークでは、風力発電の比率が全体の4%を超えると送配電ネットワークに問題が生じるとして、電力会社が導入量を抑えていた。しかし1990年代の半ばに実施した発送電分離によって、送配電事業者が発電事業者と独立にネットワークを運営し始めると、風力発電の比率は急速に上昇していった」。2015年にはデンマーク国内の電力消費量のうち40%以上を風力発電が占めている(図7)。


図7 デンマークの電力消費量に占める風力発電の比率。出典:自然エネルギー財団(デンマークエネルギー庁のデータをもとに作成)

 いまや海外では再生可能エネルギーの発電コストが火力や原子力よりも低くなって、主力の電源に位置づけられるようになってきた。「残念ながら日本では既存の火力発電所や原子力発電所を維持するために、再生可能エネルギーの導入を抑制する動きが見られる。これからは環境面と経済合理性の両方を考慮して電源を選ぶべきで、再生可能エネルギーが最適だ」とコーベリエル氏は力説した。

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