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ごみ焼却をIoTで効率化、交換部品の損傷を予測:IT活用
さまざまな電力・発電設備の運用管理にIoTを活用し、稼働率の向上やメンテナンスコストを削減する取り組みが進んでいる。日立システムズパワーサービスは、東京電力グループの東京臨海リサイクルパワーのごみ焼却炉で進めている実証の知見を生かしたサービスを2017年度から提供すると発表した。
日立システムズパワーサービスは2016年12月15日、IoT技術でごみ焼却炉の稼働効率の向上を目指す「PoC(概念実証)サービス」を、ごみ焼却発電事業者に向け2017年4月以降に提供すると発表した。同社では2016年7月から東京電力グループの東京臨海リサイクルパワーのごみ焼却炉で、IoTを用いたPoCを実施してきた。今後提供するPoCサービスはこのノウハウを活用したものだ。
東京臨海リサイクルパワーは、廃プラスチックなどの産業廃棄物と医療廃棄物を受け入れて営業運転を開始しているごみ焼却発電事業者で、計画停止の回数削減、期間の短縮化、燃焼効率の向上といった課題を抱えていた。
そこで日立システムズパワーサービスはフェーズ1として、IoTを用いてコスト削減につながる計画停止の回数削減・期間短縮化の実証を実施。既存の運転データに加え、ボイラーの一部にひずみセンサーや温度センサーを追加設置し、双方のデータをデータセンターに収集・分析することで、部品交換時期の1つの指標となる「損傷量予測」の可視化までを行った(図1)。
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