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日本の投資がアフリカへ、躍り出る途上国の再エネ自然エネルギー(4/6 ページ)

英米の政府機関と米Bloombergは、発展途上国58カ国を対象とした再生可能エネルギーに関するレポート「Climatescope 2016」を公開した。発展途上国は導入規模、投資のいずれにおいても先進国を超え、地域ごとに独自の成長を見せている。日本からの投資は中東や北アフリカに集中しており、企業では九州電力が目立つ。

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チリが引っ張るラテンアメリカ

 ラテンアメリカとカリブ海諸国は、規模拡大において踊り場にいる。クリーンエネルギーに対する野心的な要求と積極的なオークションによって、風力や太陽光の電力価格を記録的な水準まで下げ続けることには成功し、規模も拡大している(図8)。ただし、ラテンアメリカに対する投資は、2015年に219億ドルに達したものの、2014年と比較して15億ドル減少してしまった。


図8 ラテンアメリカにおける発電容量の増加量(上段)と再生可能エネルギーに由来する増加量(下段) 2013年までは黒色系で示した石油、ディーゼル、石炭や、灰色で示した天然ガスの容量増加が目立つものの、2014年以降は風力(空色)が急拡大している(上段)。ラテンアメリカの特徴は地熱の比率が高いことだ(下段)。4.1GWの風力(2015年)のうち、ブラジルが2.6GWを占める 出典:Climatescope 2016

 この結果、全発電容量に対する再生可能エネルギーの比率が20%を超える国々も現れ始めた(図9)。2010年時点でほとんど導入が進んでいなかった国々にも再生可能エネルギーが広がっている。


図9 風力と太陽光の全発電容量に占める比率 2010年の非常に低い水準からホンジュラスは24.0%、ウルグアイは22.7%まで成長した。中国やインドは全体の規模が大きいため、10%程度にとどまっている 出典:Climatescope 2016

 今回の報告書で特筆すべきなのは、ラテンアメリカ域内の勢力地図が書き換わったことだ。常に域内の首位を占めていたブラジルが2位に転落したのだ。ブラジルのクリーンエネルギー指数は昨年版よりも高くなっている。しかし他のラテンアメリカ諸国の方が上昇ペースは速かった。首位を占めたのはチリ。同国に対する投資額は2014年の13億ドルから2015年には32億ドルに急増した。なお、ラテンアメリカ3位は、ウルグアイが占めた。

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