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MITと開発した自然採光システムで特許取得、重さ半分の太陽光パネルも:省エネ機器
不動産事業を手掛けるヒューリックはMIT(マサチューセッツ工科大学)と共同開発した自然採光システムと、太陽工業、岐阜プラスチック工業と共同開発した軽量かつ高強度な太陽光パネルの2製品について特許を取得した。自社物件に導入し、省エネなどに活用していく計画だ。
ヒューリック(東京都中央区)は、このほどMIT(マサチューセッツ工科大学)と共同開発した自然採光システムと、太陽工業、岐阜プラスチック工業と共同開発した太陽光パネルの2製品について特許を取得したことを発表した。
自然採光システム(名称:採光ルーバーユニット)はMITとの3年間にわたる共同研究・開発したもの。特殊形状の自然採光ルーバーにより、動力を使うことなく、変化する季節・時間(太陽の位置・高度)で常に一定量の太陽光を室内天井面に取り込むことができるシステムだ。メンテナンスフリーな固定タイプで、高いレベルで自然光ボリュームによる快適な照度を得られるという。このシステムはヒューリック本社ビルをはじめ、ヒューリック新宿ビルなどで導入している(図1)。
太陽光パネルは「軽量」「自由設計」「簡単取付」を大きな特徴とする。アルミ板と樹脂系ハニカムパネル材により高強度で軽量の太陽光パネルを実現し、その重さは従来型と比較し半分程度となっている。オーダーメイドの自由設計で多様な形状に対応し、取り付けはスライド式の専用金物を利用することで、設置しやすくした。厳しい荷重条件の建物にも取り付け可能だ(図2)。
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