ニュース
福島県に巨大な太陽光発電所、1万6000世帯分の電力を2020年から供給:自然エネルギー(2/2 ページ)
福島県の南部に広がる148万平方メートルの山林を対象に太陽光発電所の開発計画が始まった。発電能力は45MWを想定して、完成すると年間に1万6000世帯分の電力を供給できる。県の条例に基づく環境影響評価を実施した後に着工、2020年の秋に運転を開始する予定だ。
県内に広がる太陽光発電の適地
福島県は国内でも日射量に恵まれていて、県内の全域で太陽光発電所の開発プロジェクトが活発だ。特に太平洋沿岸部の浜通りの日射量が多いが、白河市を含む中通りや西側の山通りでも南部を中心に日射量の多い地域が広がっている(図4)。
福島県は震災後に県を挙げて再生可能エネルギーの導入に取り組んできた。2013年度に開始した「再生可能エネルギー先駆けの地アクションプラン」の最初の3年間に、太陽光発電から地熱発電まで新しい発電設備が県内各地で運転を開始している(図5)。
さらに2016〜2018年度の第2期でも太陽光発電を中心に再生可能エネルギーの導入量を大幅に増やす計画だ。太陽光発電だけでも2015年度末の564MWから2018年度末には1.5倍の836MWに拡大する目標を掲げている(図6)。その後も白河市に建設する太陽光発電所などが運転を開始すると、2020年代の初めには太陽光発電の導入量が1000MWに達する。大型の原子力発電所1基分に匹敵する発電能力になる。
関連記事
- 太陽光発電で被災地が生まれ変わる、洋上風力や地熱発電も復興を後押し
東日本大震災から5年が経過して、福島県の被災地では復興に向けたメガソーラーが相次いで運転を開始した。太陽光発電の規模は全国でトップになり、県内のエネルギー自給率は30%に迫る。洋上には浮体式による風力発電プロジェクトが拡大中で、温泉地では地熱発電も始まった。 - 巨大な太陽光発電所が相次いで着工、被災した農地をエネルギー供給基地に
福島第一原子力発電所から10キロメートル圏内にある富岡町で、復興に向けた大規模なメガソーラーの建設プロジェクトが相次いで動き出した。土壌の汚染が深刻な農地にメガソーラーを建設して、農業に代わるエネルギー産業を創出する狙いだ。売電収入を地域の復興にも生かす。 - 再生可能エネルギー100%を目指す福島県、2015年度に26.6%まで上昇
福島県では2040年にエネルギー需要の100%を再生可能エネルギーで供給する長期ビジョンを推進中だ。第1期の3年間が2015年度で終了するが、太陽光発電の急拡大で目標の24%を大きく上回る。次の第2期では風力とバイオマスを伸ばして、2018年度に28%まで高める目標を設定した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.