攻撃の手を緩めない関西電力、ガス料金さらに5%値下げ:電力供給サービス
関西電力と大阪ガスの攻防が激しさを増している。関西電力は4月から家庭向けに販売する都市ガスの料金をわずか2週間で見直し、追加で5%程度の値下げになる改定を発表した。従来の大阪ガスの料金と比べて最大で13%安くなる。電気料金と合わせて割安なプランを武器に顧客獲得を急ぐ構えだ。
わずか2週間で関西電力がガス料金の再値下げに踏み切った。昨年末に発表した家庭向けの都市ガス供給メニュー「なっトクプラン」の料金体系を1月12日に早くも改定する素早い動きだ。新料金を打ち出したことで、大阪ガスの従来のガス料金と比較した割引率は最大8%から13%に拡大する(図1)。
4月1日のガス小売全面自由化に向けて価格競争で先陣を切った関西電力だが、年明けの1月5日に大阪ガスが新メニューの「GAS得プラン もっと割料金」を発表したことで優位性が薄れていた。電力と都市ガスの使用量が多い家庭の場合には、大阪ガスのセット料金のほうが安くなるケースが増える(図2)
そこで関西電力は「なっトクプラン」の料金単価を見直して、電力と都市ガスの使用量が多い家庭でも大阪ガスのセット料金より割安になる体系に変更した。大阪ガスが「GAS得プラン もっと割料金」のモデルケースとして示した電力と都市ガスの使用量に合わせて割安感をアピールしている(図3)。
電力の使用量が月間で370kWh(キロワット時)、都市ガスの使用量が50m3の家庭では(それぞれ年間4400kWh、600m3)、セット料金で年間に約3200円も安くなる。ただし1月31日までに契約した場合の早期割引(1%)を適用したうえで、電力の契約も家庭向け自由料金メニューの「eおとくプラン」に切り替えることが前提だ。
関西電力は大阪ガスの新料金に対抗して「なっトクプラン」の料金単価を細かく調整した(図4)。特に家庭が対象になる月間使用量20〜50m3の単価を基本料金・従量料金ともに引き下げて、大阪ガスよりも割安感を高めている。家庭よりも使用量が多い商店や工場でも割安になるように、基本料金の単価を引き下げたうえで、家庭向けと同様に電気料金とのセット割引を2%から3%に増やした。
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