日本の景観条例にぴったり、トリナが黒色パネルを開発:太陽光
トリナ・ソーラーは、同社の単結晶シリコンモジュール「Honey M Plus」シリーズに、日本の景観条例に対応するブラックカラーモデルを追加した。国内では太陽光発電所の導入に際し、景観を保護する観点から、太陽光パネルの彩度や明度を指定する動きも進んでいる。こうした開発したブラックカラーモデルは、こうした日本国内の景観条例に最適な製品だという。
中国の大手ソーラーパネルメーカーであるトリナ・ソーラーは、同社の単結晶シリコンモジュール「Honey M Plus」シリーズに、日本の景観条例に対応するブラックカラーモデルを追加した(図1)。
国内では景観行政団体をはじめ、各市町村が景観に関する条例・規定の施行は年々増えてきている。太陽光パネルに関しては、色に加えて、明度、彩度まで求められることも多くなってきた。同社によると、例えば京都市の「太陽光パネルの景観に関する運用基準」では、「パネルの色は黒、濃い灰色、濃紺色(原則として彩度2以下)。フレームは黒、または濃い灰色」として、厳しく規定しているという。
こうした状況を背景にトリナ・ソーラーは、厳しい規定にも対応するブラックモジュールを日本市場向けに開発。単結晶モジュールHoney M Plusのバックシートを黒色に変更し、厳しい景観条例の規定にも対応可能な「明度2.0、彩度0.5の黒色」を実現した。この他、技術改良により高出力、高効率も実現しているという。
モジュールの寸法は1650×992×35mm(ミリメートル)。重量18.6kg(キログラム)、出力は275-295W(ワット)で最大変換効率は18.0%。10年製品保証、25年出力保証が付帯する。
トリナ・ソーラー・ジャパンの陳曄(Chen Ye)社長は「日本で景観条例を施行しているのは観光地や歴史的な建物や景観を守っている都市に限られているためか、規定に見合うブラックモジュールを提供しているモジュールメーカーは少ない」と指摘し、「Honey M Plusブラックモジュールは、デザイン性と高い効率性により、美しい外観かつ高い発電量を提供する。景観条例施行地区だけでなく、住宅の屋根の上にもぴったりの製品だ」と述べている。
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