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オール水素で電力と湯、家庭向け水素ボイラー自然エネルギー(2/2 ページ)

純水素で動作する燃料電池の実用化が進んでいる。ただし、システム全体では都市ガスなどを使う必要があった。長府工産は貯湯(加熱)用の水素ボイラーを開発。オール水素で動作するシステムの実証実験を開始した。

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都市ガス併用から純水素へと進む

 今回の実証実験は「純水素型燃料電池システムの研究開発および実証実験」の一環*3)。山口リキッドハイドロジェンが代表となり、東芝燃料電池システム、長府工産、岩谷産業が参加している。

*3) 山口県の「やまぐち産業戦略研究開発等補助金(研究開発・実証試験)」が2014年4月に公募した支援事業であり、2014年8月から2018年3月まで開発・実験を続ける。

 東芝燃料電池システムは、純水素型燃料電池システムに用いる燃料電池部分の開発を、支援事業開始時にほぼ完了していた。2014年12月から順次、2件の実証実験(徳山動物園:電気出力700W、周南市地方卸売市場:同3.5kW)を開始している。この事業は今後も続ける。「当社は支援事業が始まってから水素を利用する貯湯ユニットの開発を開始した。先行する実証実験で用いた給湯システムでは、家庭用のエネファームのガス給湯器同様、貯湯ユニットに都市ガスを用いていた」(同氏)。

 純水素型燃料電池と都市ガスの関係はこうだ。純水素型燃料電池が動作すると、電力と同時に湯ができる。だが、シャワーのように湯の使用量が多いと、供給が間に合わない。そこで、別途追い炊き用ボイラーを都市ガスで動かす。貯湯タンク内の温度が低下した場合も同じだ。

 今回はこの都市ガス部分を新開発の水素ボイラーに置き換えた。湯の使用量を監視し、水素ボイラーで貯湯、湯切れを防ぐ。

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