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トラブルを防ぐ竣工検査の意義:太陽光発電所のトラブル対策(6)(2/2 ページ)
今後ますます重要になっていく太陽光発電所の運用保守。しかし、具体的にどのような点に着目して取り組めば良いのだろうか。本連載では日本で太陽光発電所の運用保守事業を手掛けるアドラーソーラーワークスが、実際の事例を交えながらそのポイントを紹介していく。第6回は太陽光発電所の竣工検査の意義について解説する。
ないがしろになりがちな竣工検査
下記の表はドイツの保険会社が作成した、同国の太陽光発電所における不具合事例の統計である。積雪や雹(ひょう)など、ドイツ固有と思われる事象による不具合も多いが、過電圧や火災などは、設計の確認や竣工検査によって防ぐことが可能なものも相当数含まれていると思われる。発電所の不具合は未然に防ぐことができるものは多い。
太陽光発電所で起こった不具合(運転中)の原因。GDV Mitgliedsunternehmenのデータをもとに本誌がグラフを作成。(クリックで拡大) 出典:GDV Mitgliedsunternehmen
ひるがえって現実では、プロジェクトの資金繰りや税制制度の期限などにより非常にタイトなスケジュールで工事を行っている発電所も多い。竣工検査どころの話ではなく、正に「つくるのに精いっぱい」というプロジェクトが存在する。
アドラーソーラーワークスでも、第三者として竣工検査を請け負うこともあるが、工事の品質は千差万別である。なかには竣工検査を発注しているからという理由で殆ど自主検査を実施していないという施工会社もあるが、本来的には施工側、第三者のダブルチェックで不備を限りなくゼロにするのが望ましいだろう。
太陽光発電所の売電料金は国民全体が負担しており、その意味で太陽光発電所は事業主だけのものではなく、国の資産であると言えるのではないだろうか。太陽光に関わるすべての人に発電所の健全な運営を意識してもらいたい。
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