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東京都が他県の再生可能エネルギーに出資、青森から神奈川まで8県に拡大:自然エネルギー(2/2 ページ)
電力の一大消費地である東京都が官民連携のファンドを通じて他県の再生可能エネルギーに投資案件を拡大中だ。新たに栃木県で建設中のメガソーラーに出資したことを公表した。民間企業2社と連携して2014年度から運営しているファンドで、東京都以外のプロジェクトが8県に広がった。
青森県で風力発電、新潟県でバイオマス発電も
東京都が出資した壬生ソーラーウェイは総事業費65億円をかけた大型のプロジェクトである。ただし東京都の出資額など詳細は非公開になっている。年間の想定発電量も現時点では不明だが、メガソーラーの標準的な設備利用率(発電能力に対する実際の発電量)を15%として計算すると2200万kWh(キロワット時)になる。一般家庭の使用量(年間3600kWh)に換算して6100世帯分に相当する。
日本アジアグループは東京都の官民連携再生可能エネルギーファンドを通じて4カ所のプロジェクトに取り組んでいる。第1号は神奈川県の足柄上郡(あしがらかみぐん)に建設した「足柄大井ソーラーウェイ」である(図4)。発電能力は12.5MWで、2015年3月に運転を開始した。このほかに青森県の三戸郡(さんのへぐん)では18MWの風力発電所を同じファンドで建設中だ。120億円の総事業費をかけて2018年5月に運転開始を予定している。
一方でスパークス・グループが運営するもう1つのファンドでは、太陽光発電のほかに新潟県の三条市で建設中の木質バイオマス発電所に出資している(図5)。発電能力は6.25MWで、2017年12月に運転を開始する予定だ。総事業費は55億5000万円である。
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