13kmの地中送電線を活用、鹿児島県に20MWメガソーラー:太陽光
再生可能エネルギー事業を進めるRETRYと自然電力が共同開発した出力20MWのメガソーラー「鹿児島県霧島市太陽光発電所」が2016年12月から稼働を開始した。太陽光発電所としては大規模の13km(キロメートル)という長距離大容量の地中送電線を活用したメガソーラーだ。
再生可能エネルギー事業を進めるRETRY(リトライ、東京都目黒区)は、開発事業パートナーである自然電力(福岡市)と共同開発した「鹿児島県霧島市太陽光発電所」が、2016年9月29日に完工し、同年12月1日から商業運転を開始したと発表した(図1)。
同発電所は、霧島市に位置する約29万9700平方メートルの土地を利用して、出力約20MW(メガワット)のメガソーラーを運営するもの。年間発電量は、一般家庭約6000世帯の年間使用電力量に相当する約2100万kWh(キロワット時)を見込む。
建設工事は、自然電力のグループ会社であるjuwi(ユーイ)自然電力(東京都文京区)が、各協力会社と連携し実施した。今回の事業の特徴である、太陽光発電所としては大規模の13km(キロメートル)という長距離大容量の地中送電線は、霧島市の地元企業である鎌田建設(霧島市)の協力を得ることで開発業務および土木工事を遂行している。
発電所内の土木工事は鎌田建設と、発電所および変電所の電気工事については、日本リーテック(東京都千代田区)とそれぞれ連携した。また、霧島市は担当窓口の一本化など、プロジェクト遂行を制度面から支援した他、送電線設置における市有地の使用許可を出している。
リトライは2011年11月設立。約350MW(2016年12月末時点)の太陽光発電事業に携わった実績がある。2015年からはバイオマス・風力などの他電源開発も行っている。2017年4月から固定価格買取制度(FIT)が変更になることで、各地域で開発が進まないプロジェクトや事業資金の調達が困難になる事業が増えると予想される。リトライはこうした未稼働案件への支援に注力する方針だ。
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