大容量の蓄電池用パワコン、塩害地域でもそのまま設置可能に:蓄電・発電機器
ダイヘンは第7回 国際スマートグリッド EXPO」に出展し、新製品の蓄電池用パワーコンディショナーを展示した。出力250kWで、塩害地域でも屋外にそのまま設置できるのが特徴だ。工場や事業所における大型の蓄電池を活用した省エネ需要の拡大をターゲットにしている。
ダイヘンは「スマートエネルギーWeek 2017」(2017年3月1〜3日、東京ビッグサイト)内の「第7回 国際スマートグリッド EXPO」に出展し、新製品である蓄電池用の大容量パワーコンディショナー(PCS)を展示した。塩害地域への設置に対応しているのが大きな特徴だ。
改正省エネ法の対象となる工場や事業所では、エネルギー使用効率を毎年1%以上改善するよう努力義務が課されている。そのため、最大需要電力のピークカットなど、容量の大きな蓄電池を活用した省エネ手法のニーズに注目が集まっている。新開発のパワーコンディショナーは、こうした蓄電池の導入ニーズの高まりをターゲットに開発した製品だという。
テンレス製筐体と空気熱交換(HEX)冷却方式を採用し、エアコンの併設を不要にした「エアコン・レス シリーズ」の1つで、定格出力は250kW(キロワット)、変換効率97.7%、外形寸法は1200×1090×2213mm(ミリメートル)である。
新製品の大きな特徴が、耐塩地区にそのまま屋外設置可能できるという点だ。耐塩密閉構造としており、屋外に設置する場合にケースなどを利用せず、そのまま設置することができる。大容量の蓄電池用PCSで、単体での屋外設置を可能とする製品は「国内初」(ダイヘン)としている。この他、主回路部分に長寿命部品を採用するなどの改良を加えた。保守交換部品を最少化することで、メンテナンス費用も同社の試算では約7割減できるという。
1台当たりの希望小売価格は約1000万円が目安になる。単体での提供の他、蓄電池盤、昇圧変圧器、高圧連系盤をパッケージ化した製品の提供も行うとしている。
関連記事
- 見えた製造業の導入メリット、日本初の燃料電池の活用事例
軸受製造などを手掛けるポーライトは、自社工場に産業用の燃料電池システムを導入した。Bloom Energy Japanが販売する産業用燃料電池システム「Bloomエナジーサーバー」を導入したもので、都市ガスの供給エリア外で燃料電池を活用する仕組みを整えたユニークな事例だ。電力コストやCO2排出量の削減だけにとどまらない、製造業ならではの導入メリットとは? - 太陽光+蓄電池+コージェネで「防災未来工場」、250人分の電力を7日間
積水ハウスは宮城県で「防災未来工場化計画」を進めている。工場の周囲に太陽光パネルを設置したほか、大容量の蓄電池とガスコージェネレーションを導入することで災害時にも電力を供給して地域の避難所の役割を果たす。平常時のピークカットで契約電力を700kW引き下げる効果もある。 - 電力の購入量を9割以上も削減できる新工場、生産改革と省エネを一挙に実施
コマツが石川県の主力組立工場を建て替えた。最新の省エネ機器を採用して電力の使用量を半分以下に抑えたうえで、生産改革による床面積の低減と再生可能エネルギーの導入を進めて、電力の購入量を2010年度の実績から9割以上も削減する計画だ。電力会社に依存しない製造業の好例である。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.