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駅の食品廃棄物から3000世帯分の電力、JR東日本がバイオガス発電へ:自然エネルギー(2/2 ページ)
JR東日本グループは駅ビルなどで発生する食品廃棄物を利用してバイオガス発電事業に乗り出す。横浜市の臨海工業地帯にJFEグループと共同でバイオガス発電施設を建設して、2018年8月に運転を開始する予定だ。1日80トンの食品廃棄物からバイオガスを発生させて3000世帯分の電力を作る。
2030年度までにCO2排出量を40%削減
JR東日本は鉄道の運行で大量の電力を消費することから、節電による使用量の削減と再生可能エネルギーの拡大にグループを挙げて取り組んでいる。資源が豊富な北東北の3県(青森・岩手・秋田)を中心に、太陽光・風力・地熱・木質バイオマス発電を推進中だ(図4)。秋田県の沖合で計画中の洋上風力発電プロジェクトにも参画している。
首都圏では車両基地の構内や駅舎の屋根で太陽光発電を実施してきたが、新たに都市部で発生する食品廃棄物を利用できるバイオガス発電で再生可能エネルギーの電力を増やしていく。と同時に環境に負荷を与えるCO2(二酸化炭素)と廃棄物の削減にもつなげる(図5)。
JR東日本は鉄道事業のエネルギー使用量を2013年度から2030年度のあいだに25%削減、CO2排出量を40%削減する目標を掲げている。CO2排出量は2013年度から2015年度にかけて削減できておらず、今後さらに再生可能エネルギーの拡大とエネルギー使用量の低減に取り組んでいく必要がある(図6)。
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