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発電ロスが生じる要因太陽光発電所のトラブル対策(7)(2/2 ページ)

今後ますます重要になっていく太陽光発電所の運用保守。しかし、具体的にどのような点に着目して取り組めば良いのだろうか。本連載では日本で太陽光発電所の運用保守事業を手掛けるアドラーソーラーワークスが、実際の事例を交えながらそのポイントを紹介していく。第7回は見落としがちな発電ロスの原因について解説する。

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発電ロスの確認とその改善方法

 改善にはまず、現状の把握が必須だ。発電ロスの確認には遠遮光、近遮光を把握した上で、単線結線図により影のかかる部位を確認する。

現場で遠遮光、近遮光を把握し、その上で単線結線図により影のかかる部位を確認する 出典:アドラーソーラーワークス

 また、三次元シミュレーションなどで年間の遮光状況が把握できればより正確に遮光による損失を予測可能だ。


三次元シミュレーションのイメージ(クリックで拡大) 出典:アドラーソーラーワークス

 以降は費用対効果による判断となるが、さまざまな対応が可能な場合も多い。遮光物の除去やアレイ角の変更、移設を検討するのが良いだろう。また、遮光損失によりセントラルインバーター全体の効率を下げているアレイに対して、ストリングパワーコンディショナに変更することが有効な場合もある。ストリングごとにMPPTを備えているものに変更すれば、状況によっては有効な損失低減の手段となる。これについては発電量予測シミュレーションにより正確な損失金額を把握することで、事業主にとって上記案の導入可否が判断できる。

 遮光による損失を受けた発電所について、必ずしもその全てが解決できるとは限らないが、損失の低減などにより長期的な収益を伸ばすことが可能なケースは存在する。

 今後、中古案件市場が活発化する際に、現状設備の是正により価値が上がる可能性があることを、売る側、買う側は覚えておいて損はないだろう。

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