続々登場する「太陽光発電向けガイドライン」、抑えておくべきポイント:太陽光(3/3 ページ)
先ごろ新たに『太陽光発電システム保守点検ガイドライン』が公表されましたが、O&Mに関わるガイドラインの整備はまだ完全とは言えません。ガイドライン整備の現状と課題、今後の新ガイドライン公表予定をお知らせします(本記事は「O&M Japan」からの転載記事です)。
事業計画策定ガイドライン
ここまで述べてきたように、今、主に民間主導によるガイドラインの整備が進められていますが、行政側は行政側で、独自のガイドライン整備を進めています。経済産業省は4月からスタートする新認定制度を見据えて「事業計画策定ガイドライン」を公表しています。
このガイドラインは、太陽光発電事業者、EPC事業者などが事業計画を策定するときに必要な「企画立案」「設計・施工」「運用・管理」「撤去及び処分」などに関して順守すべきこと、推奨される事項について書かれたものです。太陽光発電設備認定の申請を行うにあたり、「この項目をきちんとクリアできていますか?」といったチェックシートのようなものと言っていいでしょう。
進むガイドライン整備
O&Mに直接関係してくる「運用・管理」の項目では、「保守点検・維持管理計画」の策定について書かれており、特に「50kW以上の発電設備の場合、電気事業法に基づき作成・提出した保安規程を踏まえた計画を策定すること」、と記載されています。
また、同計画の策定にあたっては、冒頭で紹介したJEMAとJPEAが作成した「太陽光発電システム保守点検ガイドライン」などを参照することも明記されています。
これからのEPC、O&M事業者は、この「事業計画策定ガイドライン」に則って事業申請を行い、「太陽光発電システム保守点検ガイドライン」や「I-V特性測定方法ガイドライン」など保守点検に関するガイドラインをきちんと読んだ上で事業推進を行い、さらに今後出てくるであろう「架台基礎構造に関するガイドライン」も理解・把握することが求められます。
今後、より現場にとって分かりやすく有効性、利便性の高いガイドラインの整備に期待するとともに、事業者自身も各種ガイドライン公表の動きに注視し、できるだけ各内容をきちんと読んで理解しておくことが重要となってくるでしょう。
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