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3電池の最適制御で電力を有効活用、エネファームと連携する新型蓄電池システム:蓄電・発電機器
大阪ガスと京セラは、家庭用燃料電池「エネファームtype S」で発電した電力を充電できる3.2kWh蓄電システムを発表した。希望小売価格は160万円(税別)。2017年4月から発売を開始する。
年間の一次エネルギー消費量の約62%削減
大阪ガスと京セラは2017年3月、家庭用燃料電池「エネファームtype S」で発電した電力を充電できる容量3.2kWh蓄電システム「スマートエネルギーハウス蓄電システム(SEH蓄電システム)」を開発したと発表した。
両社は、SEH蓄電システムを「エネファームtype Sの発電ポテンシャルを最大限に引き出すシステム」と表現する。エネファームtype Sは、700W定格出力運転時が最も発電効率の良い運転状態である。SEH蓄電システムでは、深夜など電気使用量が少なく700Wに満たない時間帯には、発電した電力を蓄電する。蓄電した電力は、家庭の電気使用量が700Wを超える時間帯に放電し、電力需要をまかなう。こうしてエネファームtype Sが多くの時間帯で定格出力700Wで運転できるようにすることで、発電能力を最大限に生かす。そうして稼働率を高めることで、エネファームtype Sの発電能力を最大限に生かす。
SEH蓄電システムは、大阪ガスが持つ燃料電池、太陽電池、蓄電池の3電池の最適制御に関するノウハウと、京セラが持つ蓄電システムのノウハウがベースとなり開発された。大阪ガスが、2011年7月〜2012年6月に実施した3電池の最適制御に関する実証では、新築住宅での年間CO2排出量の正味(ネット)ゼロを「日本初」で達成している。
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