太陽光発電の遠隔監視と出力制御を1台で、コンテックが新パッケージを発表:蓄電・発電機器
コンテックは、パワコンの出力制御機能を新たに搭載した太陽光発電監視システムの新パッケージを開発し、2017年4月3日から受注および出荷を開始した。
最大40拠点の発電状況を1つの画面で閲覧可能
2017年4月から改正FIT法が施行された。太陽光発電事業者は、送配電事業者から要請があれば、送電量の抑制に応じる必要があると定められている。出力制御の機能を持つパワーコンディショナー(以下、パワコン)および通信設備の導入が急がれている。
コンテックは、パワコンの出力制御機能を搭載した太陽光発電監視システムの新パッケージ「SolarView Air 出力制御対応版」の出荷を2017年4月3日から開始した。同製品は、発電所に現地設置する3G通信回線(契約済み)付き計測装置「SolarView Compact」と、遠隔監視のクラウドサービスをセットにした「SolarView Air」がベースとなっている。SolarView Airに、出力制御に対応したパワコンへ制御指令を送る「出力制御ユニット」の役割を担う機能を新たに搭載した*)。
*)出力制御を行う場合、従来の計測装置(モニタリングのみ)と異なり、発電停止のリスクが伴う。パワコンは出力制御装置との通信が5分以上途切れた場合、発電を停止するという。
2016年11月現在で、17社90種類以上のパワコンに対応。直近7日間の出力制御カレンダー取得状況を確認し、カレンダーの取得がない場合、7日前/3日前/1日前にメールで通知するという。気象信号用のアナログ入力端子も標準装備し、日射計や気温計の入力端子を持たないパワコンでも、計測装置側で日射、気温データを取り込み可能だ。
最大40拠点の発電状況を1つの画面で閲覧できる「マルチアカウント機能」も搭載しているため、複数の太陽光発電所を所有する施主やO&Aの管理、運用が容易になる。
新パッケージは、計測装置のSolarView Compactに加えて、電源ユニット、サーキットプロテクター、各種信号端子台(配線済み)、3Gルーター、スイッチングHUB、メンテナンス用のLANケーブル、プラボックスで構成されている。
価格はオープンで、その他に現地試験調整作業費用と、3G回線通信費+クラウドサービス年間2万4000円(税別)、オンサイト保守サービス年間4万8000円(税別)が必須となる。既存SolarViewシリーズのアップグレード用パッケージも提供するとした。
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