テラドローン、メガソーラー事業者向けCIMモデリングを強化 「パネル配置や日影のシミュレーションが可能」:太陽光
テラドローンは太陽光発電関連事業者向けの新たなサービスとして、計測後のCIMモデリング分野を強化すると発表した。3次元データによる造成図や日影図の作成、傾斜勾配を反映した発電量出力予測やパネル設置位置のシミュレーションを行うことが可能という。
建設後の日照シミュレーションも可能
テラドローンは太陽光発電関連事業者向けの新たなサービスとして、山間部での3次元レーザー計測に加え、計測後のCIMモデリング分野にも力を注ぐ方針だ。同サービスを利用することで、3次元データによる造成図や日影図の作成、傾斜勾配を反映した発電量出力予測やパネル設置位置のシミュレーションを行うことが可能になる。
太陽光発電業界では平野部での発電所建設が年々困難になっており、山間部や急勾配の難所など従来避けられてきた用地での発電所建設が増加している。テラドローンでは、このような土地で樹木を伐採する前に地表面の土工量を算出するなどのUAVレーザー計測サービスを行ってきた。今回計測後の3次元現況データから造成計画図や日影図の作成、日照量シミュレーションなどCIMモデリングサービスまで提供することで、さらなる顧客価値の向上と大幅な作業工程の短縮化とコストカットを推進する。
3次元モデリングには、施工計画や造成工事管理の大幅効率化できるメリットがある。UAVレーザーによる計測後、取得した点群データから3次元の現況地形データを作成。これにより造成工事で、どれくらいの土の切り盛りを行う必要があるかを事前に知ることができ、地形を考慮した設置検討ができるという。
建設後の日照シミュレーションも可能だ。FIT(固定買取価格制度)改定により、売電価格が年々低下している中で、“いかに発電効率の良い発電所を建設できるか”が緊急の課題となっている。同社はUAVレーザー計測だけでなく、建設予定地のCIMモデリングを行い、傾斜勾配を考慮してパネル間で影の重なりがないかを判別する他、季節ごとの日射軌道を反映した発電量のシミュレーションを行うなどのサービスを提供する。
テラドローンは国内外でドローンを用いたレーザー・写真測量を行い、高精度3次元図面を短時間で作成、土量管理、工事の進捗管理に役立つサービスを提供している。大手ゼネコンや建機メーカーなど300回以上の実績を持ち、2016年10月にはドローン運行管理システム(UTM:UAV Traffic Management)事業にも参入することを発表した。
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