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2015年度のCO2排出量は2.9%減、再エネ普及や原発の再稼働が後押しか:エネルギー管理(2/2 ページ)
環境省と国立環境研究所は、2015年度における日本の温室効果ガス排出量の確報値を発表した。それによると、総排出量はCO2換算で前年度比2.9%減となる13億2500万トンとなった。
2050年までの再エネ導入見込量の推移
2015年度のCO2排出量削減の要因として、再生可能エネルギー(以下、再エネ)の導入拡大が挙げられていた。環境省はシンクタンクの三菱総合研究所に委託して、再エネの2050年までの導入見込み量を2015年4月に推定している。環境省の予測では再エネに対する施策の力の入れ具合により「低位」「中位」「高位」の3通りがある。
中位の予測では従来の施策だけを実施する低位の状況に加えて、CO2排出量を削減するための合理的な対策を実施した場合を想定。その結果、2030年には再生可能エネルギーで3122億kWh(キロワット時)、2050年には5988億kWhの電力を供給できるという。
エネルギーの種別では、太陽光が最も多くて2030年までに1173億kWhへ拡大する。水力が既存の大規模と新規の中小規模を合わせて863億kWh、風力が537億kWhと続いている。バイオマスと地熱、海洋エネルギーによる発電量も大幅に増える見込みだ。
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