フィルム型太陽電池で電源いらず、屋内でも使える電子ペーパー:蓄電・発電機器
大日本印刷(DNP)と積水化学工業はフィルム型の太陽電池を活用し、室内でも利用できる電子ペーパーを開発した。2017年4月中旬から、都内のコンビニエンスストアの店頭に電子看板として設置し、実証試験を行っている。
大日本印刷(DNP)と積水化学工業は、光を吸収する色素を利用して発電するフィルムタイプの色素増感太陽電池(フィルムタイプDSC)を搭載し、室内でも発電しながら駆動できる電子ペーパーを共同開発したと発表した。2017年4月中旬から、都内のコンビニエンスストアの店頭に電子看板として設置し、実証試験を開始している。
省電力で薄くて軽い電子ペーパーは、交通機関の時刻表や案内図、標識や広告などを表示する、屋内・屋外に設置可能な次世代の情報メディアとして期待されている。だが、駆動に必要な電池交換や電源確保が大きな課題となっていた。色素増感太陽電池は二酸化チタン、有機色素、電解質溶液を組み合わせた太陽電池で、材料が安価で構造が単純なことから低コスト化が可能な太陽電池として注目されている。
今回、積水化学が開発した低照度で発電できるフィルムタイプDSCをDNPの電子ペーパーに搭載し、自ら発電しながら駆動できるようにすることで、どこにでも設置できる製品とした。
第1弾となる電子看板は、組み立てが簡単な「DNPかんたん組み立てPOP PaPaTPoP(ぱぱっとポップ)」に、電子ペーパーとフィルムタイプDSCを搭載したもので、照度の低い(照度500ルクス以下)室内の照明でも発電できる。また、コンセントなどの配線が不要で屋内・屋外の任意の場所に設置することが可能だ。薄く軽量で持ち運びしやすいため、店頭やイベント会場など、さまざまな場所に設置できる。さらに、電子ペーパーは、光の反射を利用しているため照明下や日中の屋外などでも情報が見やすく、高いアイキャッチ効果が期待されている。
コンビニエンスストアの店頭をはじめ、各所で実証実験を展開しながら顧客企業に対する認知拡大を進め、2017年度中の販売を目指す。電子看板などのプロモーション用途の他、商業施設などの建築装飾材や交通インフラ用の情報表示器を開発するなど、両社の連携によって幅広い分野で新しい市場を開拓する方針だ。
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