ニュース
太陽光パネル製造販売のZEN POWERが倒産、FIT開始以降3番目の大型倒産に:太陽光
太陽光パネル製造・販売のZEN POWERは、2017年4月5日に福岡地裁から破産開始決定を受けた。負債総額は52億円で、太陽光関連では再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)開始以降で3番目の大型倒産となった。
福岡市博多区に本拠を置く太陽光パネル製造・販売のZEN POWERは、2017年4月5日に福岡地裁から破産開始決定を受けた。負債総額は約52億円としている。東京商工リサーチによると太陽光関連としては九州・沖縄で過去最大の倒産、再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)開始以降では3番目の大型倒産になる。
ZEN POWERは2005年12月に設立。当初はエスシパワの商号だったが、2013年10月に現商号に変更し、太陽光モジュールの製造販売を開始した。日本製を強みに国内および海外向けに販売し、業績ピークとなる2014年12月期には約74億円の売上を計上していた。
しかし、大口取引先だったドイツの企業に多額の不良債権が発生したことで資金繰りが悪化。さらに欧州での太陽光モジュール価格の下落、国内での再生可能エネルギー買取価格の引き下げなど太陽光市況が急激に悪化した影響により、2015年12月期の売上高は約5500万円まで減少。同期末までに社員を解雇し、事実上の事業停止に追い込まれていた。
関連記事
- 太陽光関連事業者の倒産、2016年度は過去最高の68件
東京商工リサーチは2016年度における「太陽光関連事業者」の倒産状況を発表した。その結果によると2016年度の倒産件数は、これまでの最多である2015年度の61件から7件上回った。 - 太陽光発電の安全対策を強化、設計施工の標準仕様を策定へ
経済産業省は太陽光発電所の安全対策の強化に向け、設計および施工の標準仕様を策定する方針だ。2017年3月21日に開催された第15回 電力安全小委員会では、その骨子が示された。 - 太陽光発電は終わらない、JPEAが示す3つの成長エンジン
太陽光発電協会は、太陽光発電市場の現状と今後についての考えを示した。苦戦が目立つ国内太陽光発電設備市場だが、同協会では「3つの成長エンジンで安定的に成長する」という見通しだ。 - 縮小傾向にある国内太陽光市場、パネルだけではもうからない
矢野経済研究所は太陽光パネルの市場規模推移に関する調査結果を発表した。太陽光パネルの価格下落の影響が顕著になっており、運用保守や蓄電池などと組み合わせたシステム販売など、パネルメーカーは引き続き付加価値サービスの展開に注力していくことになりそうだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.