リコー、RE100に日本企業で初参加 「2050年までに100%再エネを目指す」:自然エネルギー
リコーは2017年4月に開始した第19次中期経営計画にあたり、注力する5つの重要社会課題を設定した。そのうちの1つ「脱炭素社会の実現」では、持続可能な開発目標(SDGs)と2016年11月に発行したパリ協定を踏まえて、2050年に自社排出の温室効果ガス排出ゼロを目指す。
RE100に日本企業として初めて参加
リコーが「RE100」に日本企業で初の参加を発表した。RE100とは、事業に必要な電力を100%再生可能エネルギーで調達することを目標に掲げる企業が加盟する国際的なイニシアチブである。2016年9月にAppleが参加したことを発表した他、GoogleやMicrosoftなど約90社(2017年4月21日時点)が加盟している。
リコーは2017年4月に開始した第19次中期経営計画にあたり、注力する5つの重要社会課題を設定している。そのうちの「脱炭素社会の実現」「循環型社会の実現」では、持続可能な開発目標(SDGs)とパリ協定を踏まえて、新たな環境目標を掲げた。
2030年には、自社の工場・オフィス・車両などから直接排出される温室効果ガス、自社が購入した熱・電力の使用に伴う温室効果ガスを2015年比でそれぞれ30%削減。30%の削減は、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が示した将来の気温上昇を2℃以下に抑える「低位安定化シナリオ(RCP2.6)」に沿った削減レベルである。企業活動のサプライチェーンにおける排出量では、2015年比で15%削減を目指す。
2050年に目指すのは自社排出の温室効果ガス排出ゼロだ。目標達成に向けて、リコーでは「“リコーグループ環境宣言”を掲げ、徹底的な省エネ活動を進めるとともに、再生可能エネルギーを積極的に活用していく」と語る。2030年までに少なくとも電力の30%を再生可能エネルギーに切り替え、2050年までに100%を目指すという。
5つの重要社会課題には脱炭素社会の実現の他に、「生産性向上」「知の創造」「生活の質の工場」がある。生産性向上では、場所にとらわれない働き方や、多様な人材が創発できる環境づくりといった“働き方改革”を実践する。
知の創造では従来のオフィスから現場、社会などのワークプレイスの変革をテクノロジーとサービスで実現することで、イノベーションを促進させる必要性を語る。
生活の質の向上では、衣料や教育分野のソリューション提供とともに地域社会の活性化支援などを通じて、人々の生活の質向上に貢献することを目指すとした。
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