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次世代石炭火力を2020年代に実現、研究開発が最終フェーズに蓄電・発電機器(2/2 ページ)

高効率かつCO2排出量が少ない次世代火力発電の実用化に向けた開発が進んでいる。NEDOは次世代石炭火力の1つである「先進超々臨界圧火力発電(A-USC:Advanced-USC)」の実用化に向けて、高温蒸気に耐えられるニッケル(Ni)基合金の技術開発に着手した。事業期間は4年間で、その後2020年代にA-USCを採用した火力発電所の稼働を目指す方針だ。

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A-USCの市場投入は2020年代に

 A-USCの技術開発プロジェクトは、ボイラーやタービンのメーカーを中心に構成する「A-USC開発推進委員会」が進めてきた。2016年度までに基本的な要素技術の開発と、実証試験による性能検証を実施している。今回のNEDOのNi基合金に関する技術開発プロジェクトはこの延長上にある。高温環境下における材料の長期信頼性の検証はA-USCの実用化に向けて非常に重要なポイントであり、いよいよ実用化に向けた最終フェーズに入ったといえる。


「A-USC」の実用化に向けた試験装置 出典:経済産業省

 現在の石炭火力発電所はほとんど全てがボイラーと蒸気タービンを組み合わせた汽力発電技術を採用している。A-USCもその一種であるため、実用化する場合は煙突や貯炭設備など既設発電所の設備の一部を流用できるメリットがある。

 2020年度以降、国内では古くなった石炭火力の改修需要が高まる見込みだ。NEDOではこれを見据え、2020年をめどに発電効率46%を達成できるA-USCの技術開発や検証を完了させたい考え。ただ、大型の発電設備を更新する場合、環境影響評価手続きや建設工事、試運転を含めて5年程度の時間を要する。そのため、A-USCを採用した石炭火力発電所が運転を開始するのは、早くても2020年代の中頃となる見込みだ。

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