太陽光パネルのドローン検査は有効か、Looopが検証:エネルギー管理
Looopは茨城県水戸市の自社太陽光発電所において、太陽光パネルの点検を赤外線カメラ搭載ドローンで実施した。地上からの点検と比べて、費用削減や調査時間の大幅な短縮につながるという。
費用削減や調査時間の大幅な短縮
Looopは2017年6月、春の木ソーラー発電所(茨城県水戸市)の太陽光パネルにおける点検を、テラドローンの赤外線カメラ搭載ドローンで実施したと発表した。同発電所の出力は8.8MW(メガワット)、3万枚を超える太陽光パネルが並んでいる。
2017年4月に施行された改正FIT法に伴い、太陽光発電所では運用保守(O&M)が義務化された。Looopでは従来、携帯型の赤外線カメラを点検作業者が持ち歩き、パネル1枚1枚を撮影していたが、膨大な時間を要することや、欠陥を正確に全て検出することが困難だった。赤外線カメラ搭載ドローンを点検に活用することで、地上からの赤外線点検と比べて、費用削減や調査時間の大幅な短縮につながるという。
春の木ソーラー発電所では従来1日に12人を必要としていた点検を、ドローンを活用することで4人まで削減。事前に従来手法でクラスタ落ち、ホットスポットが発見されていた場所を、ほぼ全て検出しただけでなく、新たなホットスポットも発見したとする。
また人手による点検では、パネル1枚ごとに不具合を生じた可能性のある位置をマニュアルで記入するため、異常箇所の位置ずれが生じることがあった。ドローンによる点検では映像を基に位置の特定ができることから、マッピングの正確性も向上している。
Looopは、リリース上で「今後も適切な調査と点検を実施し、発電所の安全管理を徹底し、再生可能エネルギーの最大普及を促進していく」とコメントした。
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