直径103mの大型風車を22基、秋田県で進む大型ウィンドファーム計画:自然エネルギー
秋田県が所有する日本海沿岸の保安林で、大規模な風力発電所の建設工事が進んでいる。設置する22基はGE製の風車を導入することが決まった。総出力は66MWで、年間4万世帯分の発電量を見込んでいる。
GEリニューアブルエナジーは秋田県秋田市および潟上市に建設予定の「秋田潟上(かたがみ)ウインドファーム」に導入する風車22基を、同プロジェクトのEPC業務を請け負う清水建設から受注した。風車だけでなく15年間の保守契約も受注しており、GEはサービスを充実させるために、秋田県内にサービス拠点を開設する予定だ。
この風力発電所は、ウェンティ・ジャパンと、三菱商事の100%子会社である三菱商事パワーおよびシーテックの3社共同で出資した秋田潟上ウインドファーム(潟上市)により運営される。 2017年4月から着工し、2020年5月に運転開始予定だ。発電所の総出力は約66MW(メガワット)で、年間発電量は一般家庭約4万世帯分に相当する発電量は1億4200万kWh(キロワット時)を見込んでいる。
GEが納入する風車「3.2-103」は、風車の直径は103m、定格出力は3.2MW。なお、秋田潟上ウインドファームでは出力を3.0MWに制限する。GEは同モデルを2014年から全世界で販売しているが、日本市場に投入するモデルは、日本特有の風況や地形条件に合わせた改良を加えている。駆動装置・電装システムのアップグレード、落雷対策の他、タワーとブレードを強化しているという。
秋田潟上ウインドファームは、GE製風力タービンを設置する国内最大級の発電設備になる。現在GE製の風車は国内で400基以上が稼働、もしくは建設中だという。GEは今後、デジタル技術を活用した保守サービスの提案も展開していく方針だ。
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