東京商工リサーチが2017年7月12日に発表した調査結果によると、2017年上半期(1〜6月)の倒産は45件に達し、過去最高を更新した。これまで最多だった前年同期の30件を15件も上回り、2014年同期から3期連続の増加となった。
倒産した企業の負債総額は165億2500万円と、前年同期を6.2%下回った。2016年上期の負債額が大きかったのは、2016年3月に新電力の日本ロジテック(東京都)が負債約120億円を抱え、銀行取引停止処分を受けたことが原因としている。
2017年上半期の最大の倒産は、太陽光発電モジュール製造販売のZEN POWER(福岡県)で、負債額は52億円。2017年上期全体の負債総額は、既に2016年1年間の68.1%に達しており、負債も前年を上回る水準で推移している。
負債額別では、倒産45件のうち1億円以上5億円未満が最多の20件、負債1億円未満が21件となった。前年同期は、負債1億円未満の倒産は全30件うち12件だった。負債の小型化が進んでいることがうかがえる。
倒産原因は「販売不振」が最も多く、22件と全体のほぼ半数を占めている。次いで「事業上の失敗」が6件、「運転資金の欠乏」が4件、「他社倒産の余波(不良債権発生)」が2件と続く。
東京商工リサーチは「再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度(FIT)が成立し、太陽光業界は有望市場として注目されたが、買い取り価格の引き下げや、相次ぐ新規参入などで環境は激変し、太陽光関連事業者のとう汰が本格化していると指摘。さらに「2017年通年でも過去最多の倒産件数を記録する可能性が高い」とした。
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