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山形県の未利用材でバイオマス発電、ガス化で排熱も活用:自然エネルギー
山形県最上町にバイオマス発電所が完成した。ZEエナジーが建設した発電所で、県内の未利用材をガス化し、ガスエンジンを利用して発電する。
バイオマス発電施設の運営管理などを行うZEエナジー(東京都港区)と、同社の関連会社で再生可能エネルギー発電事業者のZEデザイン(京都市)は、山形県最上町に建設した木質バイオマスガス化発電所「もがみまち里山発電所」が、東北電力への売電を開始したと発表した。
もがみまち里山発電所は林野庁ガイドラインに基づく由来証明書付つきの間伐材や未利用材を木質チップにし、炭化の原理を利用してガス化したものをガスエンジンに投入して発電する方法を用い、排熱まで熱利用できる全国でも珍しいバイオマス発電所だ。2017年1月に東北電力送電網への系統連系を完了するなど、これまで安定的な稼働に向けて発電設備の最終調整を進めてきた。
このほど、試運転および付帯追加工事などが終了し、東北電力への売電体制が整ったため、ZEデザインが事業主体となる初の木質バイオマスガス化発電所として営業運転を開始した。発電出力は1000kW(キロワット)で、運転時間は1日24時間、稼働日数は330日を予定している。今後20年間、「再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)」で、1kWh(キロワット時)当たり税別40円で売電する。
ZEデザインおよびZEエナジーは、今後も全国各地で小規模なバイオマス発電装置の導入を順次進めていく。
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