太陽光パネルの出力保証に保険、LONGi Solarが初採用:太陽光
エーオンジャパンとテュフ ラインランド ジャパンは、太陽光パネルメーカーの出力保証をバックアップする新たな保険スキームを開発。パネルメーカーが製品評価の費用を負担するというもので、中国LONGi Solarが採用を決めた。
エーオンジャパン(東京都千代田区)と第三者認証機関であるテュフ ラインランド ジャパン(横浜市)は2017年7月、太陽光パネルメーカーの出力保証をバックアップする新たな保険スキームとして、製品評価をパネルメーカーが費用負担する「メーカータイプ」を開発し、同スキーム初の採用メーカーとして中国の大手パネルメーカーLONGi Solarと合意し、審査プロセスを開始すると発表した。
両社が提供する「太陽光パネルの長期信頼性評価に基づく出力保証をバックアップする保険スキーム」は、テュフ ラインランド ジャパンが、部材・設計の信頼性審査、製造プロセスの信頼性審査、完成品の性能・長期信頼性・安全性試験を担当する。太陽光パネルの長期信頼性と安全性リスクを総合的に評価し、その評価結果に応じてエーオンジャパンが保険を手配する仕組みだ。
今回開発したメーカータイプは特定型式を事前に、パネルメーカーが費用を負担するかたちで審査を受ける。審査を通過したパネルの評価結果、概算保険料がすぐに分かることに加え、事業主は少ないコストと短い審査期間で保険に加入できるメリットがあるとしている。LONGi Solarとの合意により「出力保証をバックアップする保険」に加入できる太陽光パネルが、近く日本国内で提供される予定だ。
一般的に太陽光パネルメーカーは、独自の製品評価に基づいた25年の出力保証を行っているが、その客観性について疑問視されている。また、FIT価格の低下に伴い、製品の品質や信頼性を犠牲にしたコストダウンを不安視する声もある。両社は同スキームを採用した太陽光パネルが品質と信頼性を重視する日本市場で認知され、その結果として、安全で信頼性が高く、資産価値の優れた発電所が増えることを目指す。
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