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下水処理場で消化ガス発電、1030世帯分の電力に:自然エネルギー
兵庫県内の2カ所の下水処理場で、消化ガスを利用した発電事業が始まる。下水処理の過程で発生する消化ガスを活用して、年間に約1030世帯分の電力を発電する。
大阪ガスの100%子会社であるOGCTSと神鋼環境ソリューションは、兵庫県内の2カ所の下水処理場で消化ガス発電事業を開始すると発表した。このほど事業を行う下水処理場を管轄する神戸市、高砂市と基本協定を結んだ。
この事業では、下水処理の過程で発生する消化ガスを燃料として活用する。消化ガスは、メタンを主成分とする可燃性ガスで、都市ガスの半分ほどの熱量を持つ。日々行われる下水処理の過程で発生するため、安定的に調達でき、発電事業が行いやすいというメリットもある。
発電事業を行うのは、神戸市の「玉津処理場」と高砂市の「伊保浄化センター」の2カ所。玉津処理場では合計450kW(キロワット)、伊保浄化センターには合計75kWのガスエンジン発電機を導入する。2カ所の合計で、年間354万kWh(キロワット時)の発電量を見込んでいる。一般家庭に換算して、約1030世帯分の年間使用電力量に相当する。
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