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バイオマス燃料の木質ペレット、輸入増で国内自給率が低下:自然エネルギー(2/2 ページ)
林野庁の調査によると、2016年の木質ペレットの国内生産量は前年比で0.5%増加した。一方、海外からの輸入量の増加によって、自給率は、前年比8.3ポイント減の25.7%に下落している。
自給率は8%以上下がる
原料入手別に見ると製材工場など残材からの生産が5.2万t(構成比43.6%)、丸太・林地残材からの生産が4.3万t(構成比35.6%)、建設発生木材が2.3万t(構成比19.1%)となった。丸太・林地残材から生産されたものの樹種別では、スギ(2.6万t、構成比61.3%)、マツ(1.1万t、構成比25.9%)、ヒノキ(0.4万t、構成比9.3%)が上位を占めている。
なお、同年の木質ペレットの輸入量は主にカナダ、ベトナムからの輸入が増加し、34万6855t(前年比49%増)と大幅に増加している。これにより、木質ペレットの自給率は、前年比8.3ポイント減の25.7%へ下落している。
また、木質ペレットの代替燃料として競合関係にあるパームヤシ殻の輸入量が急増している。国内で大型のバイオマス発電所の建設が進むに伴い、燃料としての需要が高まっているためとみられる。2016年におけるPKS輸入量は、前年比67%増の76.1万tで、主な輸入先国はインドネシアとマレーシアとなっている。
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