ニュース
KDDIが新型のケーブル敷設船、洋上風力の送電線にも対応:自然エネルギー
KDDIは子会社の国際ケーブル・シップ共同で、新しい海底ケーブル敷設船を建造する。通信ケーブルなどの敷設に加え、日本で初めて電力ケーブル工事に対応する。2019年度をめどに運航を開始する計画だ。
KDDIと同社のグループ会社である国際ケーブル・シップ(KCS)は、2019年度の運航開始を目途に、新たに海底ケーブル敷設船を建造すると発表した。
KCSは、1967年からケーブルハンドリング機器を装備した海底ケーブル敷設船を、太平洋・アジア域に広がる光海底ケーブルネットワークの建設・保守に活用しており、現在はKDDIオーシャンリンク、KDDIパシフィックリンクの2隻を運用している。
新しい海底ケーブル敷設船は、通信ケーブルの敷設および修理で培ったノウハウを用いることで、これまでの通信ケーブル、観測・資源探査ケーブルに加え、「日本で初めて」(KDDI調べ)、電力ケーブル工事への対応が可能な船舶になるという。これにより、浮体式洋上風力発電設備などに用いられる電力ケーブルについて、耐候性の高い海底ケーブル敷設船での工事の実現を目指す。
さらに、航行距離や速度向上により、適用海域も現在の太平洋、アジア海域から全世界に拡大するとともに、船舶の推進装置の一種である「格納型アジマススラスター」を採用し、悪天候下における耐候性と定点保持能力を高める。
新船の規模は約9500tで、全長113m、全幅21.5m。定員は80人。速力は13ノットで、けん引力は80tとなる予定だ。
関連記事
- 輸送船に900枚の薄膜太陽電池、世界最高水準の環境性能で日本と海外を結ぶ
世界最高水準の省エネ・環境保全性能を実現する川崎汽船の大型運輸船「DRIVE GREEN HIGHWAY」が完成した。7500台の車を積める自動車搬船で、CO2や窒素酸化物の排出量を大幅に削減する最先端の船舶技術を集約した。甲板には約900枚のCIS薄膜太陽電池を設置し、一部の電力を再生可能エネルギーで賄う。 - 日本初の燃料電池船が完成、船も水素でCO2フリーに
日本初の水素で動く船が完成した。環境省の実証事業として戸田建設などが開発した燃料電池船で、長崎県五島市の椛島沖で2015年度末まで実証航行が行われる。再生可能エネルギーによる電力で生成した水素を利用して、CO2フリーな航行を実現する。 - −253度の液体水素を6000kmも運搬、水素社会を支える専用船が実現
川崎重工業は大量に製造した水素を液化して運搬する設備を開発した。例えばオーストラリアから6000km航行して日本まで液体水素を輸送できる。液化天然ガス(LNG)の大量輸送と似たインフラ作りには欠かせない技術だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.