発電量は世帯数の2倍以上、北海道に92MWの蓄電池併設型メガソーラー:太陽光
東急不動産、三菱UFJリース、日本グリーン電力開発の3社は、国内最大級の蓄電池併設型メガソーラーの建設を進めている。出力92MWの発電所で、年間発電量は約1億550万kWhを見込んでいる。
東急不動産、三菱UFJリース、日本グリーン電力開発の3社は、このほど北海道釧路町に「すずらん釧路町太陽光発電所」(仮称)を建設し、発電事業を開始すると発表した。同発電所は、三菱東京UFJ銀行をアレンジャーとするシンジケートローンにより事業資金を調達する。2017年7月から建設を開始しており、2019年度中の運転開始を目指す。
釧路町の約163.2万m2の遊休地を活用する。出力規模は約92MW、年間の発電量は、一般家庭約2万1300世帯分の年間電力消費量に相当する約1億550万kWhを見込む。釧路町の世帯数は2017年7月末時点で9577世帯となっており、2倍以上の発電量となる。
3社が共同出資する特別目的会社(SPC)が事業主体となり、東急不動産の完全子会社である東急不動産キャピタル・マネジメントがアセット・マネジメント業務、三菱UFJリースの完全子会社であるMULエナジーインベストメントが、ファイナンシャルアドバイザリー業務をそれぞれ受託する。EPCは富士電機が担当する。
同発電所は、北海道電力が2015年4月に公表した、太陽光発電設備に蓄電池などを併設して出力を制御することで、出力の急激な変動緩和対策の導入を太陽光発電事業者に求める「太陽光発電設備の出力変動緩和対策に関する技術要件」に基づき、蓄電容量約25MWhの大容量リチウムイオン電池を備えている。
なお、蓄電池併設型の太陽光発電所としては出力規模が国内最大級の発電所となるという。また、無制限・無補償の出力抑制の対象となる太陽光発電事業へのプロジェクトファイナンス組成案件としても、国内最大規模としている。
北海道では、天候で発電量が左右される風力発電の短周期変動対策を目的に、蓄電池を併設するメガソーラー事業が活発になっている。
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