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地域特性を生かすバイオマス発電事業、NEDOが導入指針を公開:自然エネルギー
NEDOは「バイオマスエネルギー地域自立システムの導入要件・技術指針」を公開。バイオマスの種別ごとに地域の特性を生かしたシステムの事業性を評価し、実用性の高い導入要件や技術指針を取りまとめた。
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、「バイオマスエネルギー地域自立システムの導入要件・技術指針」をこのほど公表した。木質系、湿潤系などバイオマスの種別ごとに、地域の特性を生かしたシステムの事業性を評価し、実用性の高い導入要件や技術指針を取りまとめとめている。
バイオマスエネルギー事業については、FIT制度開始以降、廃棄物処理および利用を主目的とした事業ではなく、売電収益を目的とした発電事業としての位置付けが強まり、新規参入が活発化している。しかし現状、国内でバイオマスエネルギー事業を支える基盤は脆弱であり、事業を将来にわたって長期的に継続するには相応の知識と工夫が求められる状況だ。
NEDOは、バイオマスエネルギー利用における個別技術の指針、対象地域が自立できるシステムとしての導入要件を策定し、これらに基づいた実証を行い導入要件・技術指針にまとめるプロジェクト「バイオマスエネルギーの地域自立システム化実証事業」に取り組んでいる。今回、この実証事業で得た、バイオマス種ごとに地域の特性を生かした最適なシステムとしての事業性を評価し、経済的に自立できる実用性の高いシステムの導入要件や、安定した操業を実現するための技術指針を取りまとめた。同指針はNEDOのWebサイトからダウンロード可能だ。
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