大規模蓄電池システムを世界展開、日本ガイシとシュナイダーが提携:蓄電・発電機器
日本ガイシと仏シュナイダーエレクトリックは、NAS電池とインバーターを組み合わせた大容量蓄電システムを世界規模で共同拡販していくと発表。
日本ガイシ(名古屋市)と仏シュナイダーエレクトリックはこのほど、日本ガイシのNAS電池とシュナイダーエレクトリックのインバーター(Conext Core XC ES)を組み合わせた大容量蓄電システムについて、世界規模での共同拡販に関する覚書を締結したと発表した。
再生可能エネルギーの拡大に伴い、電力供給の安定化に寄与する大容量蓄電システムへのニーズは高まっており、今後、世界的な需要増加が見込まれている。両社は既に2016年11月、NAS電池とシュナイダーエレクトリックのインバーターを組み合わせた共同運転試験を実施している。今回の覚書の締結で両社は、コンパクトなスペースで大容量の電力貯蔵を可能にする日本ガイシの蓄電技術と、シュナイダーエレクトリックのエネルギーマネジメント技術を融合させた定置型大容量蓄電システムのさらなる普及促進を図り、世界的な再生可能エネルギーの導入促進やCO2排出量の低減を目指す。
NAS電池は日本ガイシが世界で初めて実用化したメガワット級の大容量蓄電池。大容量、高エネルギー密度、長寿命を特徴とし、長期にわたり高出力の電力を長時間、安定して供給することが可能だ。2002年の事業化以来、全世界で約200カ所、総出力53万kW、総容量370万kWh以上の設置実績があり、電力負荷平準によるピークカットや非常電源用途のほか、再生可能エネルギーの安定化に利用されており、節電対策やエネルギーコスト削減、環境負荷低減に貢献していく方針だ。
シュナイダーエレクトリックはビル、データセンター、基盤インフラ、産業に向けたエネルギーマネジメントとオートメーションに関する事業を展開する世界的企業。同社のConext Core XC ESは、系統連系エネルギー蓄電システム向けセントラルインバーターで、99.1%の効率(ピーク効率)を実現し、インバーターの出力電力を最大680kVAまで自由に設定できるなど高い柔軟性がある。
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