太陽光発電の第1回入札、最安値は18円/kWhを切る結果に:太陽光
改正FIT法で、今後2MW以上の設備の買い取り価格は入札で決めることになった太陽光発電。経産省は2017年9〜11月にかけて実施された、第1回入札の結果を公表した。
2017年11月21日に開催された政府の調達価格算定委員会で、改正FIT法に基づき9〜11月にかけて実施された太陽光発電の第1回入札の結果が公表された。合計9件、出力ベースでは合計約141MWが落札された。最も安い入札価格は、17.20円/kWhだった。
政府はFITによる太陽光発電の買い取り費用低減を目的に、2MW以上の事業を対象に入札制度を導入した。2017〜2019年度の間に合計3回の入札を実施する予定で、今回が初入札となる。第1回入札では募集容量の上限を500MWと定めていた。
入札に参加する事業者は、まず事業計画を指定入札機関である低炭素投資促進機構に提出し、審査を受ける必要がある。今回提出された事業計画数は合計29件で、提出計画全ての設備の出力合計は、募集要領に近い約490MWにのぼった。このうち審査を通過した事業計画は23件で、出力ベースでは約388MWだった。
入札では希望する1kWh当たりの買い取り価格と、計画する発電所の発電出力の札を入れる。第1回入札の買い取り価格の上限は21.00円/kWhで、安い価格で入札した順に落札者が決まっていく仕組みだ。落札者の決定は、政府が事前に定めた募集容量に達するまで行われる。なお、同じ価格で入札をした事業者が複数いた場合、落札者の順位はくじで決めることになっている。
第1回入札の最終的な落札件数は9件で、合計容量は約141.4MWだった。買い取り価格の最安値は、HINA(千葉市)が計画する7.26MWの案件で、17.2円/kWh。2017年度の買い取り価格である21円/kWhより、3.8円安くなるという結果となった。なお、最高落札価格は21.00円/kWhで、2件がこの価格で落札されている。
なお、2018年度に行われる予定の第2回、第3回入札における募集容量や上限価格は、今回の結果を検証した上で調達価格算定委員会が決定する予定だ。
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