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ソーラーシェアリング収穫祭、開催! 太陽光パネルの下で農作物の収穫を祝う:自然エネルギー(2/2 ページ)
実りの秋、これまでにない全く新しい“収穫祭”が、千葉県匝瑳市の太陽光パネルの下で催された。ソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)による農作物の豊作を祝う、その名も「ソーラーシェアリング収穫祭」だ。
農業生産法人に耕作委託。ソーラーシェアリング1000件の最前線!
「匝瑳メガソーラーシェアリング第一発電所」は土地面積が約3万2000m2で、太陽光発電システムの設備容量が1MW。想定年間発電量は142万4000kWh、年間売電収入は約4700万円を想定する。パネル下に再生した農地の耕作は、地域の農業生産法人Three little birds合同会社に委託。売電収入の中から、年間200万円を耕作委託料として支払うというスキームだ。さらに、地域の協議会にも年間200万円が拠出され、地元の環境保全に役立てられている。まさに、環境調和型のメガソーラーと言って良い。
ソーラーシェアリングは2013年3月31日、農林水産省が一定の条件のもとで、これを認める方針を打ち出したのを機に普及しはじめた。現在、導入件数は1000件を突破し、北海道から沖縄まで日本各地に拡がっている。なかでも千葉県には215件の発電所があり、122件で2位の静岡県を大きく引き離している(2017年5月27日現在、一般社団法人全国営農型発電協会調べ)。
今回紹介した匝瑳は、そのなかでも最先端をいくソーラーシェアリングのメッカだ。エネルギー問題と農業問題、いずれの解決にも糸口を与えてくれそうなソーラーシェアリングが、そこにはある。太陽の恵みを地域とともに享受する……匝瑳の取り組みから、今後とも目が離せない。
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