3次元架台と蓄電池を導入、北海道に15.7MWのメガソーラー:太陽光
スマートソーラーと日本アジア投資が手掛ける蓄電池併設型メガソーラーの建設が北海道紋別市で始まった。独自開発の架台を導入した他、積雪対策にも工夫を凝らした発電所となっている。
スマートソーラー(SMS、東京都中央区)は、日本アジア投資と共同で投資を予定しているメガソーラー発電所「紋別市弘道太陽光発電所」(北海道紋別市)の建設を開始した。総事業費約66億円で一部を北海道銀行によるプロジェクトファイナンスにより調達する。最大出力は太陽電池パネル設置容量ベースで約15.7MW(メガワット)。年間発電量は、一般家庭約5000世帯分相当の年間消費電力量に相当する約1万6500kWh(キロワット時)を見込む。売電先は北海道電力でFITの買い取り価格は税別40円/kWh。
同発電所の最大の特徴は、太陽光発電の出力変動を緩和し、安定的に電力を供給するために、8.3MWh(メガワット時)の次世代高容量リチウム蓄電池を併設している。これによって、北海道電力が要求している出力変動率「毎分1%以内」をクリアする。
建設用地は一部が平たんでないため、SMS独自開発の3次元架台を用いるなど工夫を行っている。同架台はパネルの設置角度を東西方向に最大20度まで調節可能で、凹凸や傾斜のある土地でもパネルの設置が可能という。
加えて、積雪による荷重や振動に対する耐性を兼ね備えた設計となっている。設置方法を工夫し、パネル表面の積雪や除雪作業を回避するために、パネルを高い位置に急な傾斜角度で設置する。また、オホーツク海にも近いため海からの風雪や塩害を防ぐ必要もある。その対策として、機器の排気口フィルタやコンテナの外部塗装を厚くするほか、パネルの背面カバーに透湿性が低く強度の高い素材を使用し、防塵防水性の高い部品で端子箱や接続コネクタをカバーした。
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