ガラス一体型太陽電池を導入、旭硝子がZEB施設を建設へ:省エネビル
AGC旭硝子は、自社工場にネット・ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)施設の建設を開始した。同社の省エネ・創エネ製品を活用した同施設は114.7%のエネルギー削減を達成する見込みだ。
AGC旭硝子は、同社鹿島工場(茨城県神栖市)に年間一次エネルギー消費量の収支をゼロとすることを目指した建築物「ネット・ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)」施設の建設を開始したと発表した。同社の省エネ・創エネ製品を活用した同施設は114.7%のエネルギー削減を達成する見込みで、2018年12月の竣工を予定している。
2030年に向けた日本の温室効果ガス削減目標(2013年度比26%減)の達成に向けて、建築物のZEB化が急務となっている。同社は「自社製品で省エネ・創エネを実現」をテーマに、消費量を上回るエネルギーを創出する事務所棟の建設に着手した。
事務所棟は地上2階建て。延床面積は1435平方メートル。建物に同社のLow-E複層ガラス「サンバランス トリプルクール」、ウレタンフォーム断熱材の原料「エクセノール」などの遮熱断熱製品を用いることで省エネを図る他、窓にはガラス一体型太陽電池モジュール「サンジュール SUDARE」を使用することで、屋根に加えて開口部も活用したエネルギー創出を実現する。
エネルギー削減率は、省エネ製品が50.4%、創エネ製品が64.3%を貢献し、合計114.7%となる予定。この本事務所棟の建設にあたり、「ZEB実現に向けた先進的省エネルギー建築物実証事業」(環境省の委託を受けた静岡県環境資源協会が進める事業)補助金の採択を受けた。
AGCグループは、今後も「安心・安全・快適」な高付加価値製品・サービスを開発提供し、地球にやさしい建物づくりに貢献することを目指すとしている。
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