「農業×太陽光」を応援できる電力プラン、0円で住宅太陽光発電の設置も:電力供給サービス
横浜環境デザインは農業と太陽光発電を両立する「ソーラーシェアリング」を応援できる電気料金プラン「ヨコハマのでんき」を展開。太陽光発電の第三者所有モデル事業も開始する。
太陽光関連事業を手掛ける横浜環境デザイン(横浜市)は、2018年から電力小売り事業を本格的に開始する。販売する電力のブランド名は「ヨコハマのでんき」。ソーラーシェアリングや、第三者所有モデルの太陽光発電事業を組み合わせ、「再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)」で調達したFIT電気を活用していく地域密着型を志向したプランとなっている。
横浜環境デザインは千葉エコ・エネルギー(千葉市)と共同で、千葉県匝瑳(そうさ)市でソーラーシェアリング事業の開発を進めてきた。今後も再生可能エネルギーの普及とともに耕作放棄地を減らせるというメリットを見込み、自社案件のソーラーシェアリング発電所を複数開発していく計画だという。
ヨコハマのでんきの特徴的な提供プランの1つが、こうしたソーラーシェアリング事業を応援できるというものだ。横浜環境デザインはソーラーシェアリングからFIT電気の購入契約を結び、その電力を需要家に供給する。需要家は応援したソーラーシェアリング事業で栽培された作物や、地域の特産品などを定期的に受け取ることができるという仕組みだ。
もう1つのプランが、第三者所有モデルを活用した事業になる。ヨコハマのでんきと契約する戸建住宅などに横浜環境デザインが、無償で太陽光発電設備を設置。この設備で発電し、住宅で自家消費する分の電力を、横浜環境デザインが供給するかたちになる。また、設置した太陽光発電設備は、10年後に居住者に譲渡される。こちらは2018年春をめどに提供を開始する予定だ。
横浜環境デザインは、ヨコハマのでんきの電源構成に占めるFIT電気の割合を、当面は3割程度とする計画だ。それ以外は、電力卸市場と常時バックアップで賄っていく。長期的にはFIT電気の比率をさらに高めていきたい考えだ。ソーラーシェアリングの応援プランと、第三者所有モデルを利用したプランの合計で、10万棟の顧客獲得を目指す方針だ。当面の提供エリアは、東京電力管内となる。
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