電気料金の比較をLINEで手軽に、質問にも自動返答:電力供給サービス
小売り電気事業者のオカモトとNECソリューションイノベータは、電力料金メニューの比較や問い合わせに、コミュニケーションツール「LINE」を活用する実証を開始する。
小売り電気事業を展開するオカモト(北海道帯広市)とNECソリューションイノベータは共同で、独自開発した「電力使用料金見積もりツール」の実証試験を開始する。最適な電力料金プランの提示や、電力使用に関する質問への回答などを、コミュニケーションアプリ「LINE」通して自動で行うことができるツールで、有効性を検証する。
開発したツールでは、利用者が電気事業者が発行する電力使用料の帳票をスマートフォンで撮影し、LINEでオカモトのLINEアカウントに送信すると、より安価な料金プランが自動で提示される。さらに質問にも自動で回答を行うという。問い合わせをLINEで行えるようにし、電気事業者選定のための比較検討をしやすくする狙い。帳票の読み取りに光学文字認識(OCR)技術を、自動回答には「チャットボット」(自動会話プログラム)を利用している。
2016年4月から、国内の電力小売り事業が自由化され、個人のライフスタイルや価値観に合わせて、電力の供給元やサービスを選択できるようになった。オカモトは現在、離島を除いた北海道全域と東北地方に電力供給を行っており、消費者がより手軽に料金メニューの比較検討や疑問点の解消を行えるような手段の提供を模索していた。
そこでNECソリューションイノベータと連携し、LINEを活用してこうした課題を解決する方法を検討した。NECソリューションイノベータは、LINEにOCR技術やコンシェルジュ(東京都中央区)が有する自動応答を行うチャットボットのシステムを組み合わせ、同ツールを開発した。
今回の実証では、消費者からLINE経由で受けた電力使用に関する疑問点に対する自動応答の精度を検証する他、電力事業者が発行する紙伝票画像の読み取り精度の検証、同ツールを通じ、オカモトの電力小売りサービス「オカモトのでんき(オカでん)」(Web)の申し込みフォームにアクセスし、適切に申し込みが行えるかの検証などを行う。実証期間は2018年1月25日〜3月30日。
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