ゴルフ場9ホールがメガソーラーに、3930世帯分を発電:太陽光
オリックス・ゴルフ・マネジメントが、運営する島根県出雲市のゴルフ場敷地にメガソーラーを建設。年間予想発電量は一般家庭の約3930世帯分の年間電力消費量に相当する約1418万kWh(キロワット時)を見込む。
オリックス・ゴルフ・マネジメント(OGM、東京都港区)は2017年12月、運営するゴルフ場「いづも大社カントリークラブ」(いづも大社CC、島根県出雲市)で建設を進めていた太陽光発電所が完成し、売電を開始したと発表した。
同発電所は、2015年11月末まで営業していた「華蔵コース」(9ホール)を活用し、2016年7月から建設していたもので、2017年11月15日に完成、同日売電を開始した。敷設パネル数は計5万688枚、最大出力1万3685kW(キロワット)、年間予想発電量は一般家庭の約3930世帯分の年間電力消費量に相当する約1418万kWh(キロワット時)を見込む。島根県でゴルフ場を活用したソーラー発電事業としては3番目という。
OGMでは、売電を目的としたゴルフ場での太陽光発電事業を行っており、ディアレイク・カントリー倶楽部(栃木県鹿沼市)、比良ゴルフ倶楽部(滋賀県大津市)、富士OGMエクセレントクラブ伊勢二見コース(三重県伊勢市)に続いて今回が4カ所目になる。
なお、いづも大社CCの年間発電量はOGMでは最大規模で、4カ所合計の年間想定発電量は1817万kWh、一般家庭約5050世帯分の年間電力消費量を賄う。
いづも大社CCは、島根県の中央に位置し、縁結びの神様としても有名な出雲大社から約25分の丘陵地にある18ホールのゴルフ場。島根県内で営業しているゴルフ場では2番目に開業した歴史あるゴルフ場で、日本海を望む高台の広々としたフェアウェイと戦略性に富んだコースレイアウトが魅力だという。県内でも降雪の少ない地域にあり、冬でもゴルフを楽しむことができる。
ゴルフ場は、近年のゴルフ人口減少に伴ってさまざまな場面で効率化を余儀なくされており、ソーラー発電事業への参入も少なくない。全国では約180カ所のゴルフ場がソーラー発電に転換されているといわれる中、OGMでは収益機会の多様化の一手段としてソーラー発電事業などによる余剰スペースの有効利用を進めている。今後も、ゴルフ場事業と自然との融合を考慮した上で、条件次第で自社運営施設において同様の取り組みを行う方針だ。
関連記事
- 2018年度のFIT価格、事業用太陽光は数円の引き下げへ
事業用太陽光発電の2018年度におけるFIT価格が見えてきた。システム費用の低下、過積載による設備利用率の向上を受け、現状の21円/kWhから数円程度の引き下げとなるのは、確実な情勢だ。 - ゴルフ場が太陽光発電所に変わる、全国各地に広がる建設計画
バブルがはじけた1990年代の後半からゴルフ場の閉鎖が急増して、広大な跡地は用途が決まらないまま放置されるケースが多い。用地を造成する手間が少ないメリットを生かしてメガソーラーの建設が続々と始まった。複雑な地形に大量の太陽光パネルを設置する施工方法にも工夫が見られる。 - 改正FITで転機となった太陽光発電、今後求められる視点は何か
適正な事業計画の策定、定期点検の義務化など、2017年の太陽光発電市場は改正FIT法の施行で大きな転機を迎えた。本稿では改正FIT法によって変わったポイントを振り返るとともに、今後の太陽光発電事業に求められる視点や技術を解説する。 - 低調に終わった太陽光の第1回入札、背景に3つの理由
2017年秋に第1回が実施された太陽光発電の入札制度。落札容量の合計が募集要量の3割に満たないなど、低調な結果に。そこでJPEAは太陽光発電の開発事業者に、入札に関するアンケート調査を実施した。その結果から見えてきた、多くの事業者が入札に参加しなかった理由とは?
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.