既設太陽光向けのストリング監視、SCADA未導入でも低コストに:太陽光
住友電気工業は、2018年2月より既設太陽光発電所向けに、後付け可能なストリング監視ソリューションを販売開始する。SCADA(Supervisory Control And Data Acquisition)未導入の既設サイトでも、低コストに監視が始められることが特長だ。
住友電気工業は、2018年2月より既設太陽光発電所向けに後付け可能なストリング監視ソリューションを販売開始すると発表した。このソリューションは、同社のPLC(電力線通信)ストリング監視装置に、新たに開発した「PLCストリング監視システム用データ蓄積・解析装置(SMP2301)」を組み合わせたものとなる。
このソリューションにより、ストリングデータの見える化、太陽光発電所の異常判定と通知などができ、SCADA(Supervisory Control And Data Acquisition、コンピュータによるシステム監視とプロセス制御)未導入の既設サイトでも、低コストで簡単に監視を始められるという。
今回、データ蓄積・解析装置と、PLCストリング監視装置(型番SMP2102及びSMP2203)を組み合わせることで、ストリングデータをベースに朝昼夕の時間帯で異常判定を行い、異常を検出した場合は、メールで通知することができるようになった。
通知メールには、異常が発生した接続箱やストリングの情報、異常発生時間帯、異常種別(影の影響、パネル故障疑い、経年劣化疑い)を記載しており、この内容を元に迅速な改善対応を行うことで売電損失を最低限にとどめることが可能だ。また、発電時間帯(昼間等)に一定時間測定値を取得できない場合も、メール通知(ブレーカーの遮断などのDC線路の異常を検出)する。
このほか、指定期間および指定接続箱のストリング電流・電圧の表示機能ではデータのグラフ表示も可能。このストリングデータは、10分間の平均値として最大2年間保存できる。
同社では2018年度に、この「既設サイト向け 後付け監視ソリューション」を合計20サイトの受注を目指すとしている。
関連記事
- 太陽光発電所のストリング監視、工事不要で後付け可能に
太陽誘電は「PV Japan 2016」に出展し、太陽光発電設備の遠隔監視システムを展示した。配線工事を必要とせず、ストリング単位で電流と電圧を検知できるのが特徴の製品だ。 - ネクストエナジー、発電データの解析でO&Mを支援
ネクストエナジー・アンド・リソースは、事業用太陽光発電所データの解析を行うことで、メンテナンスコストと収益回復額を「見える化」し、発電事業の売電収益を向上させるサービスを発表した。 - 改正FITで転機となった太陽光発電、今後求められる視点は何か
適正な事業計画の策定、定期点検の義務化など、2017年の太陽光発電市場は改正FIT法の施行で大きな転機を迎えた。本稿では改正FIT法によって変わったポイントを振り返るとともに、今後の太陽光発電事業に求められる視点や技術を解説する。 - 急に発電量が落ちた時、太陽光パネルをどう検査すべきか
売電収益に直結する太陽光発電の“発電量”。もし、急激な落ち込みが見られた場合、どうすべきか。太陽光パネルの検査手法について、ADLER Solar Worksが解説する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.