ニュース
「しきみ」を栽培するソーラーシェア事業、820世帯分を発電:自然エネルギー
バイテックホールディングスが宮城県で営農と太陽光発電を同時に行う「ソーラーシェアリング」を開始。貸与こうパネルの下では、仏事などに使われる「樒(しきみ)」を栽培する。
バイテックホールディングスのグループ会社であるバイテックソーラーエナジー(東京都品川区)は、宮城県登米市で同社初の営農型となる「バイテック登米太陽光発電所」が完成し、このほど運転を開始したと発表した。
営農型太陽光発電は、農地に支柱を立て、農業を営みながら上部で太陽光発電を行う仕組み。太陽の光を発電と農作物でシェアするという意味で「ソーラーシェアリング」とも呼ばれており、農業経営の安定化や遊休農地の有効活用などの面から注目を浴びており、国内でも開発が活発になっている。
新発電所の発電規模は2.5MW(メガワット)で、年間発電量は一般家庭約820世帯分の年間使用電力量に相当する約300万KWh(キロワット時)を見込んでいる。太陽光パネル下部の農地では、仏事などに使われる「樒(しきみ)」を栽培する予定だ。
2013年からスタートしバイテックグループの再生可能エネルギー発電事業は、これまでに全国45カ所、約124MWの太陽光発電所が稼働している。今後も、新たな取り組みとして、小型風力やメタン発酵バイオマス発電にも着手する予定で、累計200MWの発電容量に相当する再生可能エネルギー発電所の建設を計画している。ソーラーシェアリングについても、今後も積極的に推進する方針だ。
関連記事
- 農業の新しいビジネスモデルに、ソーラーシェアリングのススメ
農業の新しい収益源として注目が集まっている「ソーラーシェアリング(営農型太陽光発電事業)」。農業と太陽光発電を両立させるソーラーシェアリングを行うためには、どのような点に気をつければ良いのだろうか。複数の施工実績を持つ横浜環境デザインが解説する。 - パネルの下で大豆や麦を有機栽培、千葉県でソーラーシェアリング
千葉県で太陽光発電と農業を共存させるソーラーシェアリング事業がスタートした。出力1MWの発電所の下に広がる農地で、大豆や麦など付加価値の高い農産物の有機栽培を行う。 - ソーラーシェアリング収穫祭、開催! 太陽光パネルの下で農作物の収穫を祝う
実りの秋、これまでにない全く新しい“収穫祭”が、千葉県匝瑳市の太陽光パネルの下で催された。ソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)による農作物の豊作を祝う、その名も「ソーラーシェアリング収穫祭」だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.