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パナソニックが目指す次世代のエコな食品流通、カギは「ノンフロン冷凍機×IoT」:省エネ機器(2/2 ページ)
パナソニックは、食品流通のさらなる省エネ・環境性能の向上を目指す。食品冷却で重要な役割を果たす冷設機器用冷凍機のノンフロン化と、AI・IoTを活用した店舗用遠隔データサービスによって、ハード・ソフトの両面から顧客に提案を進めている。
冷設機器監視から店舗のデータマネジメントを支援する「S-Cubo」
同社は、ソフト面においても店舗省エネ・環境性能への支援を行う。店舗向け遠隔データサービスの「S-Cubo」によって、顧客となる店舗は時間帯ごとの電力使用量見える化や、ショーケース内の温度監視、機器監視による遠隔保守、フロン排出抑制法に対応した設備台帳システムの提供を受けることができる。
このS-Cuboは、1万5000店舗以上の実績を有しているとするが、2017年4月から同社ではより発展した価値提供型サービスである「S-Cubo+Cs」の提供を開始した。S-Cubo+Csでは、“食品を冷やす”という価値を通じて店舗改装や機器入れ替えなど経営面を支援するという月額利用型のサービスとなった。
また、同社が2017年10月に買収した米国AI・データアナリティクス企業「Arimo」の知見を用い、今後S-Cubo+Csで店舗省エネ設定自動化サービスの提供や、統合エネルギー管理の実装を予定しているという。これら機能によって、将来的には各店舗でデマンドレスポンスやバーチャルパワープラント(VPP)への対応を実現したいとしている。
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