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世界記録の効率25.04%、n型裏面電極の太陽電池セルで:太陽光
トリナ・ソーラーはn型単結晶シリコンを利用した6インチの裏面電極型太陽電池セルで、世界記録の実効変換効率25.04%を達成した。
中国の大手パネルメーカーであるトリナ・ソーラーは2018年2月14日、n型単結晶シリコン(c-Si)を利用した6インチの裏面電極型(IBC)太陽電池セルで、世界記録となる実効変換効率25.04%を達成したと発表した。同社の同社の太陽光発電技術国家重点研究室が開発したセルで、日本の電気安全環境技術研究所(JET)も認証した。
今回記録を更新したn型単結晶シリコン太陽電池セルは、従来の大面積のn型Cz基板上にチューブ拡散技術と電極の印刷技術を利用して実現した。低コストかつ量産化に優れた手法だという。
変換効率測定は6インチ(243.18cm2)の全面積を対象として行われ、開放電圧は715.6mV、短絡電流密度は42.27mA/cm2、曲線因子(FF)は82.81%となっている。
中国で25%を超える変換効率を持つ太陽電池セルは、これが初の事例になるという。なお、トリナ・ソーラーはn型単結晶シリコンの裏面電極型の太陽電池セルで、より大きな156×156mm2で実効変換効率24.13%を達成している。
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