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太陽光事業の測量コストを8割削減、ドローンで木を切らず3次元測量:太陽光
日本コムシスが太陽光発電の造成に、ドローンを利用した3次元測量を活用。森林を伐採せず効率良く測量することで、計測にかかるコストを5分の1に削減できたという。
日本コムシス(東京都品川区)は2018年2月、太陽光発電所の建設において、レーザー搭載ドローンによる3次元測量を実施したと発表した。ドローン開発を手掛けるテラドローン(東京都渋谷区)が提供する3次元測量システムを活用したもので、森林を伐採することなく地形を測量でき、計測にかかるコストを大きく削減できたという。
同社が発電所の建設を予定する神奈川県の現場は、急勾配で密集した森林地域であり、従来手法では、森林内部まで立ち入り入念な現場調査を行い、さらに測量のために森林の伐採を行う必要があった。これには、多大なコストと時間が必要となり、発電所の建設計画を作成する上で高いハードルとなっていた。
そこで今回、測量の効率化を目的にレーザー搭載ドローンを活用。13ヘクタールの森林地域に対し、さまざまな角度から森林内部にレーザーを照射することで森林を伐採することなく3次元測量を行った。これにより、従来の手法では数カ月を要する測量を、4人(ドローン・測量技術者)の作業体制で、2日間に短縮し、測量にかかるコストを5分の1に削減したという。森林内部への立ち入りも最小限に抑えることができ、安全性の向上にも大きく貢献したとしている。
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