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電気を通す世界最薄のガラス、太陽電池への応用にも期待:蓄電・発電機器
日本板硝子が厚さ0.7mmの薄板ガラス上に、透明な導電性膜を製膜することに成功。耐久性や耐薬品性にも優れるという。
日本板硝子(東京都港区)は2018年3月8日、ガラス製造工程(オンライン)で、厚さ0.7mm(ミリメートル)の薄板ガラス上に、透明な導電性金属酸化物薄膜を製膜することに成功したと発表した。薄膜を形成する蒸着法の1つである「CVD(Chemical Vapor Deposition:化学気相成長)」技術を用いたもので、耐久性や耐薬品性にも優れるという。
透明導電膜付きガラスは、太陽電池の他、建築用建材や、車両、医療、各種電子デバイス用途での普及が進み、さらなる応用の可能性が広がっている。これらのニーズに対応するために、ガラスの薄型化・軽量化とともに、耐久性や耐薬品性のある透明導電膜が求められていた。
日本板硝子はガラス製造工程に金属酸化物膜を製膜できるCVD設備を導入し、透明導電膜の開発および生産を行っていた。今回開発に成功した0.7?の透明導電膜付きガラス(NSG TEC)は、同社によるとオンラインCVDで生産可能な世界最薄の透明導電膜付きガラスになるという。
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